危険ドラッグ吸引による交通事故が激増!
最近、危険ドラッグを吸引したことによる交通事故が激増しています。
毎日新聞の調べによると、吸引ドラッグが原因だと思われる交通事故は、2011年にはゼロだったのですが2012年に42件、昨年2013年には67件と増えていき、今年2014年は7月時点ですでに昨年を上回る84件もの危険ドラッグによる交通事故が発生しているわけです。
危険ドラッグを吸引直後の事件事故が相次いでいる問題で、今年1〜7月、危険ドラッグの吸引が原因とみられる交通事故が全国で少なくとも84件発生していることが毎日新聞の調査で分かった。昨年1年間の67件を既に上回っており、このままのペースなら倍増となる可能性もある。事故に巻き込まれて負傷した被害者数も2011年以降の約3年半で121人に上り、このうち小学生など5人が死亡していたことも判明した。・・・
危険ドラッグ:吸引直後の交通事故 今年すでに84件発生 毎日新聞(2014年8月1日)
これは別にジャンキーの間で、クスリをキメて自動車を運転することが流行っているから…という理由ではありません。危険ドラッグの吸引による交通事故が増えているのは、主に二つの理由が考えられます。
理由その1~危険ドラッグは吸う場所を選ばない~
「危険ドラッグ」という呼び名が付いたのは、つい最近の話です。それまで危険ドラッグは、「脱法ハーブ」とか「脱法ドラッグ」という呼ばれ方をしていました。
大麻や覚せい剤みたいな、「違法ドラッグ」と似た効果はあるけど、法律では違法薬物として指定されていない“法を脱した薬物”を「脱法○○」と総称しているわけです。
つまり法律的にはグレーだと言われていても、一応合法なのですから、違法ドラッグみたいにコソコソ隠れて吸う必要はありません…と、少なくとも危険ドラッグをやっている人たちはそう思っています。ですから危険ドラッグの場合は現物を買った後に、すぐその場で吸っちゃう人も多いのです(これは一説には、すでに中毒になっているから…という話もある)。
その結果、危険ドラッグの作用で“飛んじゃった状態”で車を運転したり、車に乗り込んだ時には自覚症状がなくても、運転している最中に突如“トリップ”しちゃって事故を引き起こすことになります。
理由その2~だいたい成分がヤバ過ぎる~
違法薬物に指定されている大麻や覚せい剤といったモノは、世に出回ってからすでに何十年、何百年という長い歴史があります(特に大麻は2700年の歴史があるとされる)。ですから一度にどの位の量をどういう方法で摂取すれば、どういう症状になるかといったノウハウは知れ渡っています。
ところが危険ドラッグは大麻や覚せい剤のような正しい(?)使用法はまったく確立されていません。そもそも危険ドラッグの正体は、違法薬物を構成する化学式によく似ているけれど、違法薬物に指定されていない物質です。
どんな副作用があるかなんて検証は、ほとんどされていません。
さらに危険ドラッグの製造現場は、中国辺りで製造された化学物質を乾燥させた普通の草に振りかけて作られています。その設備は下町の内職工場並みの設備であり、品質のバラつきも激しく、同じ分量のハーブに均一に化学物質が添加されているわけではないのです。
効能も不明なら、含有量も不明…
こんなヤバいドラッグを吸って事故を起こさないほうが不思議なのです。
危険ドラッグの吸引は自己責任では済まない!
使用や所持がバレたら一発で逮捕される違法薬物にくらべて、一応合法だという建前で売られている危険ドラッグは、安直に手に入れられる反面、その危険は逮捕されるどころか、死の危険があるわけです。
ましてや、危険ドラッグが元で交通事故を起こしてしまったら、もはや自己責任ですむ問題ではありません。
興味本位やちょっと好奇心で手を出すには、危険すぎるのが危険ドラッグなのです。