交通事故で脊髄損傷した時の慰謝料は?|後遺障害等級認定のポイントも解説

交通事故による脊髄損傷の後遺障害と等級
この記事でわかること
脊髄損傷の症状がわかる
交通事故で脊髄損傷をした時の後遺障害等級と慰謝料の相場がわかる
交通事故で脊髄損傷をした時の後遺障害等級を認定されるためのポイントがわかる

交通事故で脊髄を損傷した場合、後遺症は大きいものになる可能性が高いです。では、交通事故で脊髄損傷を負った場合、どれくらいの慰謝料がもらえるのでしょうか?

結論から言うと、認定される後遺障害等級によって慰謝料は変わります。後遺障害等級には認定される基準があるのですが、認定のポイントを押さえないと、自分の症状よりも低い後遺障害等級しか認定されない事もあります。

この記事では、「脊髄損傷で認定される後遺障害等級と慰謝料の相場」「適切な後遺障害等級を認定されるポイント」について解説します。

脊髄損傷の症状

脊髄損傷の症状は損傷の度合いによって、「完全損傷」と「不完全損傷」に分けられます。

完全損傷

完全損傷は、脊髄が横断的に離れてしまい、損傷した箇所より下の神経伝達機能が完全に絶たれた状態です。ですので、損傷部位が脳に近ければ近いほど重症になります。具体的な症状は、体を動かすことができない、体の感覚が無くなる等です。

完全損傷は、主に脊柱の脱臼、骨折によって生じます。

不完全損傷

不完全損傷は、脊髄の一部が損傷・圧迫などを受けているものの、一部の機能が残存している状態になります。一般的に不完全損傷も、完全損傷と同様に、脊髄を損傷した箇所の下部分に影響を及ぼします。

ただし、不完全損傷の中には、「中心性脊髄損傷」というものがあり、これは下肢よりも上肢の症状が重くなります。不完全損傷の場合は、損傷個所がX線では発見されない事もあり、軽い捻挫として見逃されてしまうことも多くあります。

そのため、不完全損傷の場合は、特に検査をしっかり受けて事故との因果関係を証明することが大切です。

脊髄損傷での後遺障害等級と慰謝料の相場

交通事故によって脊髄損傷を負った場合に、後遺障害等級を認定されるには、単に脊髄損傷が生じているということだけでは不十分です。

その脊髄損傷によって、体のどの範囲にどの程度の麻痺が生じているかの医学的な証明が必要になります。それに加えて、被害者にどの程度の介護が必要であるかも考慮されます。

麻痺の種類と程度

麻痺の種類と程度は以下の表の通りです。

種類 部位
四肢麻痺 上肢と下肢
片麻痺 片方の上肢と下肢
単麻痺 上肢または下肢の一肢
対麻痺 両方の上肢または両方の下肢

 

程度 具体的症状
高度 障害のある上肢または下肢の運動性・支持性がほとんど失われている(上肢において物を持ち上げて移動させることができない、下肢において歩行や立つことができない等)。
中等度 障害のある上肢または下肢の運動性・支持性が相当程度失われている(上肢において文字を書くことができない、下肢において硬性器具なしに歩行ができない等)。
軽度 障害のある上肢または下肢の運動性・支持性が多少失われている(上肢において文字を書くことが難しい、下肢において歩行が不安定である等)。

後遺障害等級と慰謝料

等級 基準 慰謝料
(自賠責基準)
慰謝料
(弁護士基準)
2020/03/31以前の事故 2020/04/01以降の事故
1級 ・高度な四肢麻痺
・高度な対麻痺
・常時介護を要する中等度な四肢麻痺
1100万円
または1600万円(介護を要する場合)
1150万円
または1650万円(介護を要する場合)
2800万円
2級 ・中程度の四肢麻痺
・介護を要する軽度の四肢麻痺、対麻痺
958万円
または1163万円(介護を要する場合)
998万円
または1203万円(介護を要する場合)
2370万円
3級 ・軽度の四肢麻痺
・中等度の対麻痺
829万円 861万円 1990万円
5級 ・軽度の対麻痺
・一下肢の高度な単麻痺
599万円 618万円 1400万円
7級 ・一下肢の中等度な単麻痺 409万円 419万円 1000万円
9級 ・一下肢の軽度な単麻痺 245万円 249万円 690万円
12級 ・軽微な麻痺
・広範囲に渡る感覚障害
93万円 94万円 290万円

脊髄損傷における後遺障害等級を認定されるポイント

脊髄損傷における後遺障害等級を認定されるポイントは2つあります。
1. 小さな損傷も見逃さずに画像所見を得る
2. 神経学的所見を得る

小さな損傷も見逃さずに画像所見を得る

脊髄損傷において後遺障害等級を認定されるには画像所見が特に重要になってきます。

そのため、小さな損傷でも等級に影響が出ることもあるので、できる限り損傷個所の画像所見を得ることが大切です。小さな損傷も見逃さずに画像所見を得るには、精度の高い機械で撮影することと、複数の撮影方法をすることが大切になってきます。ですので、MRI検査、CTスキャン、レントゲン撮影の全てを行うことが良いです。

また、同じMRI検査でも機械の新しさで精度が異なり、上肢に痺れや麻痺があったとしても精度が低いと損傷を発見できず、単なるむち打ちの損傷と診断されて、脊髄損傷が見逃されることもあります。

そのため、新しい機械を使用している病院でMRI検査、CTスキャン、レントゲン撮影を行うことが良いです。

神経症状テストを行う

神経学的所見も後遺障害等級認定の重要な要素になります。その理由は、麻痺や痛み、運動障害などの自覚症状を他覚症状として医学的な証明が得られるからです。ですので、神経症状テストも行うことが重要です。

まとめ

交通事故での脊髄損傷では慰謝料が高額になることが多いです。そのため、適正な後遺障害等級を認定してもらうことが被害者にとってとても大切です。適正な後遺障害等級を認定してもらうためには、画像所見と神経学的所見が重要になります。

完全損傷の場合は脊髄損傷の症状が明らかなため上位の等級認定が可能ですが、不完全損傷の場合、医師の診察や診断書によっては適切な等級を取得できないことがあります。

医師は被害者の後遺障害について考慮せずに診断書を作成するケースが多いということを忘れてはいけません。少しでも等級認定を有利にするためには、交通事故に強い弁護士に医師へのサポートを依頼して納得のいく慰謝料をもらえるようにしましょう。

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