交通事故で示談交渉が決裂した場合の手続きとは?紛争処理センター、民事調停、訴訟について

交通事故で示談交渉が決裂した場合の手続き

交通事故の被害者になったとき、何をどのように進めればよいのかわからない人も多いことでしょう。また、加害者との示談交渉が決裂した場合、どんな手続きをすればよいのかわからない人も少なくないと思います。

そこでこの記事では、示談交渉の準備としてすべきことを整理したうえで、示談交渉が決裂した際に必要になる手続きについて説明します。

交通事故の被害者になったときの紛争処理の流れ

交通事故に遭ったら、加害者から慰謝料を含む損害賠償金を受け取ることになります。しかし、保険会社の提示する金額が低いなどで示談が進まない場合は、他の手段に訴えるしかありません。

示談交渉が頓挫したら民事調停、それでも解決しなければ裁判という流れで慰謝料を主張することができます。妥当な慰謝料を請求するために、まずは紛争処理の手順を見ていきましょう。

①慰謝料・損害賠償の額を算定する

まずは、示談内容として最も重要である、慰謝料や損害賠償の額を決めておく必要があります。後に紛争の可能性を残さないためにも、金額は一義的にいくらか決めるべきです。

その他、支払期日、支払い方法も決めておきます。いちばん確実な支払い方法は、一括で金額を受け取ることです。分割払いとなってしまった場合は、確実に賠償金を受け取るためにも頭金を大きくしたり、連帯保証人を付けてもらったりします。

慰謝料・損害賠償額の算定について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

【交通事故慰謝料の計算方法と3つの算出基準を詳しく解説】

②内容証明郵便を加害者側へ送付する

次に、算定した慰謝料・賠償金額を加害者側に伝えなければなりません。加害者側の保険会社や弁護士によって連絡が入ることが多いのですが、ある程度時間が経過しても連絡がないようであれば、内容証明郵便を送って慰謝料・損害賠償を請求するということ、またその額といったこちらの主張を伝える必要があります。

内容証明にすることで、いつ、誰が、どのような主張を行ったかというのを公的に証明できます。

③加害者側と示談交渉をする

慰謝料・損害賠償の請求を行う意志を伝えたら、実際に当事者間で賠償に向けて話し合いをおこなっていきます。

加害者側の保険会社が示談交渉を行う場合、相手は交通事故の示談交渉に関する知識を持ったプロですので、弁護士や行政書士といった法律の専門家にサポートを依頼するとよいでしょう。

示談交渉は、一度和解が決まってしまうとその内容を覆すことが出来ませんので、慎重に行う必要があります。

示談交渉が決裂した場合の手続き

次に、示談交渉がうまくいかず、決裂してしまった場合の手続きについて見てみましょう。

①交通事故紛争処理センターを利用する

示談交渉がまとまらない場合、通常は民事交渉の場合は裁判所で民事調停を行うことになります。しかし、交通事故の示談交渉の場合は、交通事故案件を専門にしている「交通事故紛争処理センター」の和解斡旋を利用して紛争処理をおこなうこともできます。

和解斡旋は、センターに事故について相談し、担当弁護士が必要と判断した場合に利用できます。センターから相手の保険会社に来所を要請します。相談担当弁護士が双方の話を聞き、解決方法をまとめて双方に提示します。

【参考】:交通事故紛争処理センター

②民事調停を起こす

示談交渉がまとまらない場合、民事調停を起こして和解へと進めることもあります。調停機関が紛争の当事者双方の合意が得られるように説得しながら、和解が成立するように努力する手続きです。

簡易裁判所に申立てを行います。当事者と調停委員とで調停室にて話し合いがおこなわれます。調停が成立すると、確定判決と同じ効力が与えられます。

交通事故紛争処理センターで交渉がまとまらなかった場合、民事裁判を起こしても結果は同じ可能性が高いので、民事裁判を挟まずに訴訟を起こすことをお勧めします。

③民事訴訟を起こす

交通事故紛争処理センターのあっせん・民事調停でも和解に至らなかった場合や、当事者間の主張があまりにもかけ離れている場合には、訴訟を起こして慰謝料・損害賠償を請求する必要があります。このような法的紛争を民事事件と言います。

訴額が140万円以下の場合は簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所が第一審の管轄裁判所となります。基本的には、相手方の住所地を管轄する裁判所に訴えを起こします。

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訴訟は弁護士に任せることで被害者の負担を減らす

民事裁判の手続きは比較的簡単で、書類さえ揃えれば誰でも訴えを起こすことができます。弁護士なしで裁判を行うこの方法を本人訴訟と言います。

しかし、弁護士費用が抑えられる代わりに、厳しい結果となることが多いのが実情です。なぜならば、相手方には法律のプロである弁護士が付いているからです。

弁護士に依頼することで、万全の体制で裁判に挑むことができます。事務的な負担のみならず、係争における精神的な負担も軽減されるため、その恩恵には大きなものがあると言えます。

裁判に踏み切ることを決意したら、少しでも多く慰謝料や損害賠償を請求出来るよう、弁護士や行政書士といった法律の専門家のアドバイスをもらうことを勧めます。

まとめ

慰謝料や損害賠償を請求するには、多くの書類や手続きが必要になります。法律の知識がない素人ひとりですべてをこなすのはかなり難しいことです。

確実に慰謝料請求を行うためにも、まずは交通事故に強い弁護士に相談をすることをお勧めします。

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