多発するママチャリの交通事故
6 歳以下の子供が同乗した自転車事故は、ピーク時で年間2,424件。そのうち3件は死亡事故。ママチャリの交通事故は平成17年から年々減少していますが、それでも年間1,000件以上の事故が発生しています。
ただ、ママチャリの事故で厄介な問題が、運転者のほかにも同乗している子供が傷を負うということ。最悪の場合、死亡事故につながる危険性があります。
なぜ、ママチャリの交通事故が多発するのか?
まず考えられるポイントが、運転する人の行動範囲。つまり、母親のテリトリーです。
ママチャリで移動する際、ほとんどが近場になります。遠出をする方は、いないはずです。
そのため、慣れた道での走行だと、どうしても油断してしまうもの。知らない道であれば一旦停止して気をつけるところも慣れた道なら迷わず進んでしまい、自動車や歩行者との衝突など事故につながります。
そういった認識が事故原因の一つとして大きく関わっているようです。
また、成長途中の子供は、少しの横転や衝撃で大きな怪我につながることも少なくありません。
運転する母親が交通認識を見直すことも大事ですが、最大の要点は同乗している子供を守るための対策です。自転車の設備を整えたり走行する際のコツを把握するなどして、より良いママチャリライフを心がけましょう。
子供を守る対策『ママチャリカスタム』
安全な“ママチャリライフ”。
一番の対策ポイントは、機能性です。
子供を守る視点からママチャリのグレードアップを考えるなら、「車体の軽量化」と「チャイルドシート」は是非とも押さえておきたいポイント。
ただ単に軽くするだけではなく、実用性や安全性を重視したカスタムが重要です。
ママチャリの軽量化
サイクルショップやホームセンターで売っているママチャリは重さ20kg前後です。その反面、ボディからパーツまで全てアルミ素材で軽量化を追求したママチャリは重さ14kg。これは、クロスバイクの重量とほぼ変わりません。
ですが、見た目や好みが合わなければ、いくら軽いママチャリでも購入したくない。そういったときは、はじめから軽量化されたママチャリを買わなくても、あとでパーツを交換するなどして車体を軽くすることが可能です。
スタンドの交換
以外と見落としがちなスタンドの重量。ノーマルタイプのママチャリに常備されているスタンドは重いものがほとんど。アルミ加工を施したスタンドに交換することで軽量化につながります。
スタンドを交換するときの注意点は片足タイプではなく「両脚」にすること。安定感を守るためには両脚のスタンドが最適です。
カゴの交換
ママチャリを購入するとき、「カゴ」を基準にして選んでしまう人が多いようです。常備されているママチャリのカゴは積載量や大きさを重視するあまり重くなってしまいます。
はじめからカゴが付いているタイプのママチャリを選ぶのではなく、カゴは購入後に別で装備するのが軽量化の近道。専用のショップに行けば、“MTBフロントバスケット”などアルミ加工でも十分な大きさで実用的なカゴが揃っています。
チャイルドシートの選択
子供を事故から守る前提として、チャイルドシートの選択は最も大切なポイント。スタンドと同様に、アルミ素材でできたチャイルドシートに交換することで大幅な軽量化が可能になります。
しかし、チャイルドシートを軽量化する際には、実用性や安全性をふまえたうえで交換しなければ意味がありません。子供を守るための機能性が備わっていてこそのママチャリです。
チャイルドシートを選ぶポイント
- 子供の成長に合わせて幅(サイズ)が調節できる
- サスペンション機能が備わっている
- 頭部をサポートする「ヘッドレス」が付属している
- 足や衣類の巻き込み防止が対策されている
- シートベルトが5点式
ママチャリに求める条件
- チャイルドシートを備え付ける荷台が「強度25以上」であること
- ハンドルが「U字型のフレーム」
- 両脚のスタンドが装備されている
これからママチャリを購入する方は、はじめから「チャイルドシート専用」のタイプが便利。フレームや荷台の強度を気にすることなく、チャイルドシートの取り外し設計を予め考慮して作られているママチャリです。
子供を事故から守る「走行」のコツ
まず、認識しておくべきが「常に危険が隣り合わせ」であるということ。
いつも通り慣れた道だからといって安心していても、周囲の人間は違います。自分は慣れていても初めてその道を通る人もいます。
また、逆のパターンも危険で、複数の慣れた人がスイスイ走行している道は、一旦停止しないなど交通ルールを軽視する人も多いわけですから事故につながる確率が高くなります。
普段通いなれた自分の行動範囲だからこそ、常に危険が隣り合わせであることを認識しながら走行するようにしましょう。
安全性を見直すなら「ギア」の見直しは必須!
ほとんどのママチャリが「3段階タイプ」のギアです。でも、3段階のギア数では対応しきれていないのが現実。
子供を乗せたうえ、カゴには買い物袋。おまけに坂道なんて余程のパワーを強いられます。せめて5段階、欲を言えば6~7段階のギアを搭載したママチャリがベストです。
ママチャリのギアを見直すことで労力の負担が少なるのはもちろんですが、状況に応じたギアに変更できれば常に一定の動きが可能となります。
その結果、横転の防止や急な障害を避ける動きがスムーズになり事故防止につながります。
ただし、はじめからママチャリに付属しているギアをオプションで変更するのは困難。
かえって費用がかさむことも。安全性にベストを尽くしたいという方はママチャリの購入を検討する機会かもしれません。
ママチャリ 子供を事故から守るためのカスタムと走行のコツ まとめ
ママチャリの軽量化
- スタンドは「アルミ製で両脚タイプ」に取り換える
- カゴは購入後にオプションで「アルミ製」を取り付ける
- チャイルドシートの条件は、「実用的・機能性に優れ安全性を重視したアルミ製」
走行のコツは認識を改めることから
- 「常に危険が隣り合わせ」であることを意識する
- 「慣れた道だからこそ慎重な走行」を心がける
安全性を高めるならギア数の見直しを
- ギア数を見直すことで「走行の安定」につながり「事故の原因を軽減」できる
- ベストなギア数は「6~7段階式」。最低でも「5段階」は欲しい