交通事故の加害者が未成年だった場合、補償はどうなるの!?

交通事故の加害者が未成年だった場合、補償はどうなるの!?"

収入や貯蓄の少ない未成年者が加害者となった交通事故の場合、どこに補償を求めるのかという点は特に大きな問題となります。

未成年者が任意保険に加入していれば問題はありませんが、そうでない場合、十分な補償を受けられない可能性があるのです。

この記事では、未成年者はそもそも法律上の賠償責任を負う義務があるのかという点から始め、未成年者が加害者のケース特有の注意点、未成年者以外の第三者へ損害賠償を請求する方法までを説明します。

未成年者は法律上の賠償責任を負うのか

まずはじめに考えたいのは、そもそも未成年者は法律上の賠償責任を負うのかという問題です。未成年者本人の責任と、その監督者の責任について見ていきます。

未成年者は法律上の賠償責任を負うのか

未成年者の責任問題

未成年者が他人に損害を与えた場合、責任能力がなければ法律上の賠償義務を負わないと民法は規定しています。責任能力とは、自分がおこなった行為の責任を認識する能力を指し、幼い子どもなどは備えていないものです。

逆に、加害者が未成年者でも責任能力がある場合、未成年者本人が法律上の損害賠償義務を負います。過去の裁判例では、12歳を過ぎると責任能力があると見なされる傾向が強くなっています。

監督者の責任問題

未成年者に責任能力がなければ、加害者である未成年者本人は損害賠償義務を負いません。この場合、未成年者の親などが監督義務を怠っていないことを立証しない限り、監督義務者に賠償責任が認められます。

未成年者に責任能力があれば、未成年者本人が損害賠償義務を負います。この場合、未成年者の親などが監督義務違反によって損害を発生させたことが認められれば、未成年者本人に加えてその親も別途損害賠償責任を負う可能性があります。

未成年の加害者への損害賠償で知るべきこと

次に、交通事故の加害者となった未成年者への損害賠償で知るべきことを見ていきましょう。

未成年者本人に責任能力が認められるケースは多い

交通事故でも同じように、未成年の加害者に責任能力がある場合は、その未成年者本人が賠償義務を負います。

自動車は18歳以上、原付やバイクは16歳以上にならないと運転免許を取得できません。12歳を境に責任能力が認められるということは、交通事故の加害者が自動車やバイクを運転していたケースでは、基本的に未成年者本人に責任能力が認められ、未成年者本人が法律上の損害賠償義務を負うことになります。

そうなると、損害賠償の請求先は未成年者本人になりますが、未成年者には交通事故の損害賠償金を支払えるだけの収入がないことが多いです。そこで次に、未成年者本人以外から賠償を受ける方法を紹介します。

被害者が利用できる保険を知る

交通事故の加害者が未成年者の場合、まず確認すべきことは事故に利用できる保険があるかという点です。

任意保険

未成年者が運転していた自動車に任意保険が付いていれば、任意保険会社に対して損害賠償を請求することができます。

任意保険が適用される場合は、未成年者本人から損害賠償金を直接支払ってもらう必要はなくなるので、示談が成立すると示談金が問題なく支払われるはずです。

また被害者の過失が大きくなければ、任意保険会社が病院へ治療費を直接支払うため、被害者は治療費を病院の窓口で支払う必要もなくなります。

労災保険

会社員が勤務中や出勤途中に交通事故に遭った場合、会社が加入している労災保険を利用できる可能性があります。

労災保険とは、会社に雇用されている人が業務中に怪我をした場合などに、会社に代わって国が給付する公的な制度です。交通事故の場合も、勤務中や出勤中の事故であれば利用が認められることがあります。

労災保険を使う場合、損壊した車の修理代や慰謝料といった補償は受けられませんが、示談締結前に治療費や休業補償の給付を受けられるメリットがあります。

人身傷害保険や車両保険

加害者側の任意保険が利用できない場合、被害者自身が人身傷害保険や車両保険に加入していれば、それらの利用を考えてみましょう。

人身傷害保険が利用できれば、保険会社が病院へ治療費を直接支払ってくれます。病院の窓口で立替え払いをする必要はありません。またこの保険は、過失割合に関わりなく一定の賠償を受けられるメリットがあります。

自賠責保険

加害者の運転していた車に任意保険が付いていない場合でも、治療費や慰謝料、休業損害といった怪我に関わる損害賠償を自賠責保険の保険会社に対して請求できます。

万が一、加害者の車両に自賠責が付いていなかったり、加害車両が盗難車のため自賠責保険を利用できなかったりした場合は、政府補償事業による補償を受けられることがあります。

弁護士に相談する

交通事故の加害者が未成年者の場合は、損害賠償を受けるために保険の確認や請求先の把握を慎重におこなう必要があります。

特に保険が利用できないケースでは、第三者へ請求することで賠償金を回収する手段を確保しなければなりません。

未成年者本人以外の第三者に対する請求が成り立つか否かは、法的な判断が必要なため、弁護士に相談することをお勧めします。

未成年者以外の第三者に対する賠償請求

最後に、第三者に対する賠償請求について説明します。

未成年者の雇用主に対する請求

会社の従業員が仕事中に起こした交通事故の場合、従業員個人だけでなく雇用主である会社も被害者に対して賠償責任を負うことがあります。これを使用者責任と呼びます。

未成年者が仕事中に起こした交通事故の場合、保険から十分な賠償が受けられなければ、会社に対する損害賠償を請求すべきです。

なお、未成年者が運転していたのが社用車の場合は、会社が任意保険に加入している可能性が高いため、任意保険会社から賠償を受けられるはずです。

車両の所有者に対する請求

未成年者が乗車していた車両の所有者が未成年者とは異なる第三者の場合、その所有者に対して運行供用者責任として賠償請求をおこなうことも可能です。

例えば、未成年者が親や知人の車を借りて運転していた場合は、未成年者本人に加え親や知人に対して損害賠償請求ができます。

未成年者の親に対する請求

レアケースですが、未成年者に責任能力が認められる場合でも、その親に監督義務違反があれば、親に対して損害賠償請求ができる可能性があります。例えば、未成年者が日ごろから交通ルールを守らないことを親が認識していたのに、指導して来なかったケースなどが該当します。

未成年が加害者となった交通事故のまとめ

未成年者が加害者となった交通事故のケースでは、どこに補償を求めるのかは重要な問題です。補償を求める相手などに関して、分からないことや不安なことがあるようなら交通事故に強い弁護士に相談することをお勧めいたします。

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