交通事故による足指や下肢(股・膝・足首)の後遺障害と等級

交通事故による足指や下肢の後遺障害と等級

交通事故で足に後遺障害が残ると、日常における歩行や動作、通勤や通学などに大きな支障をきたします。

足は人間の動作の基本となる機能なので足指が失われただけでも大きな影響が及びます。交通事故の足の後遺障害には、どのようなものがあるのでしょうか?

1.足の後遺障害の種類

交通事故の足の後遺障害には、いくつかの類型があります。まず、下肢(かし)と呼ばれる脚の部分の後遺障害なのか、足指の後遺障害なのかによって、認定基準が異なります。

また、下肢の後遺障害には、「欠損障害」「機能障害」「変形障害」「短縮障害」の4種類があります。
・欠損障害とは、下肢が物理的に失われる場合に認められる後遺障害
・機能障害とは、下肢自身は残っているけれどもその機能が失われた場合に認められる後遺障害
・変形障害とは、偽関節などによって下肢に変形が残ってしまった場合の後遺障害
・短縮障害とは、下肢が短くなってしまった場合に認められる後遺障害
足指の後遺障害にも、足指の欠損による後遺障害と、足指の機能障害があります。足指の欠損による後遺障害は、足指が物理的に失われるケースであり、足指の機能障害とは、足指自身はなくなっていないけれども足指の機能が失われたり低下したりする場合に認められる後遺障害です。

以下で、それぞれのケースについて、詳しくご説明します。

2.下肢の欠損障害

下肢の欠損障害とは、物理的に脚の全部や一部がなくなってしまった場合に認められる後遺障害です。失われた部分が大きいほど後遺障害の等級は上がりますし、1つの脚が欠損した場合よりも2つの脚が欠損した場合の方が、やはり後遺障害の等級が上がります。

足が欠損するという場合、脚の三大関節である股関節、膝関節、足関節が基準となりますが、リスフラン関節という関節も登場します。リスフラン関節とは、足の甲の部分あたりにある関節のことです。

後遺障害が認定される場合と認定される等級は、具体的には、以下の表の通りです。

下肢の後遺障害等級
後遺障害等級 後遺障害の内容
第1級5号 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
第2級4号 両下肢を足関節以上で失ったもの
第4級5号 1下肢をひざ関節以上で失ったもの
第4級7号 両足をリスフラン関節以上で失ったもの
第5級5号 1下肢を足関節以上で失ったもの
第7級8号 1足をリスフラン関節以上で失ったもの

下肢をひざ関節以上で失ったものという場合は、次のいずれかのケースです。

  • 股関節の部分で、寛骨と大腿骨が離断した場合
  • 股関節とひざ関節との間の部分で切断が起こった場合
  • ひざ関節の部分で、大腿骨と脛骨、腓骨が離断された場合

下肢を足関節以上で失ったもの、という場合は、次のいずれかのケースです。

  • ひざ関節と足関節の間の部分で切断された場合
  • 足関節部分で、脛骨及び腓骨と距骨が離断された場合

リスフラン関節以上で失ったものという場合は、次のいずれかのケースです。

  • 足根骨(踵骨、距骨、舟状骨、立方骨と楔状骨3つ)で切断した場合
  • リスフラン関節部分で中足骨と足根骨が離断した場合

リスフラン関節は、足の甲のあたりにある関節なので、その部分より上で足が欠損した場合、リスフラン関節以上で足を失ったことになります。

3.下肢の機能障害

次に、下肢機能障害の後遺障害が認められるケースを見てみましょう。下肢の機能障害によって後遺障害が認定されるケースは、以下の4つの段階があります。

  • 下肢の用を廃したもの
  • 関節の用を廃したもの
  • 関節の機能に著しい障害を残すもの
  • 関節の機能に障害を残すもの

それぞれ解説します。

(1)下肢の用を全廃したもの

「下肢の用を廃したもの」という場合、足の3大関節がすべて強直してしまったケースで、足指の全部が強直した場合です。この場合には、後遺障害の等級は1級6号となります。

(2)関節の用を廃したもの

関節の用を廃したものとは、以下のいずれかのケースです。

  • 関節が強直したケース
  • 関節の完全弛緩性麻痺か、それに近い状態になったもの(関節の可動域が健常な側の可動域10%以下となった場合)
  • 人工関節や人工骨頭を入れた関節で、可動域が健常な側の可動域2分の1以下になってしまったもの

(3)関節の機能に著しい障害を残すもの

関節の機能に著しい障害を残すものという場合は、いかのいずれかに該当するケースです。

  • 関節の可動域が健常な側の可動域の2分の1以下になった場合
  • 人工関節や人工骨頭を入れた関節の可動域が健常な側の可動域2分の1以下になっていない場合

(4)関節の機能に障害を残すもの

関節の機能に障害を残すものという場合は、それぞれの関節の可動域が健常な側の関節の可動域の4分の3以下になってしまったケースです。

下肢機能障害が認められる後遺障害の内容と等級は、以下の通りです。

後遺障害等級 後遺障害の内容
第1級6号 両下肢の用を全廃したもの
第5級7号 1下肢の用を全廃したもの
第6級7号 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
第7級11号 両足の足指の全部の用を廃したもの
第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
第9級15号 1足の足指の全部の用を廃したもの
第10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
第11級9号 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
第12級12号 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
第13級10号 1足の第2の足指の用を廃したもの,第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
第14級8号 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの

4.下肢の変形障害

次に、下肢の変形障害が起こったケースを解説します。下肢変形障害とは、下肢が骨折した場合に、癒合不全となって偽関節(関節ではない部分が曲がってしまうケース)が残ってしまうケースや、変形してしまうケースで認められる後遺障害です。

(1)偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの、とは、次のいずれかに該当し、かつ、常に硬性の補装具を必要とするケースです。

  • 大腿骨の骨幹部または骨幹端部に癒合不全が残ったもの
  • 脛骨と腓骨の両方の骨幹部か骨幹端部に癒合不全が残ったもの
  • 脛骨の骨幹部か骨幹端部に癒合不全が残ったもの

(2)偽関節を残すもの

偽関節を残すもの、という場合は、以下のケースです。

  • 大腿骨の骨幹部か骨幹端部に癒合不全が残り、時々硬性の補装具が必要となった場合
  • 脛骨と腓骨の両方の骨幹部か、骨幹端部に癒合不全が残り、時々硬性の補装具が必要となった場合
  • 脛骨の骨幹部か骨幹端部に癒合不全が残り、時々硬性の補装具が必要となった場合

(3)長管骨に変形を残すもの

下肢の「長管骨」は、大腿骨と脛骨と腓骨のことを言います。そして、この長管骨に変形を残すものとは、次のいずれかのケースです。

  • 大腿骨に変形が残り、15度以上曲がって不正癒合した場合
  • 脛骨に変形が残り、15度以上曲がって不正癒合した場合
  • 腓骨が著しく変形してしまい、外部から見てわかる程度に不正癒合した場合
  • 大腿骨の骨端部に癒合不全が残った場合
  • 脛骨の骨端部に癒合不全が残った場合
  • 腓骨の骨幹部か骨幹端部の部分に癒合不全が残った場合
  • 大腿骨の骨端部がほとんど欠損した場合
  • 脛骨の骨端部がほとんど欠損した場合
  • 骨端部をのぞく大腿骨の直径が3分の2以下になった場合
  • 骨端部をのぞく脛骨の直径が3分の2以下になった場合
  • 大腿骨が外旋で45度以上または内旋30度以上で変形癒合した場合(股関節の内旋が0度を超えて動かせないか、股関節の外旋が15度を超えて動かせないケース)

以上のような下肢変形障害の場合に認められる後遺障害の等級は、以下の通りです。

後遺障害等級 後遺障害の内容
第7級10号 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
第8級9号 1下肢に偽関節を残すもの
第12級8号 長管骨に変形を残すもの

5.下肢短縮障害

下肢の後遺障害には、下肢短縮障害があります。これは、事故による負傷により、足が短くなってしまい、健常な側との不均衡が発生してしまった場合に認められる後遺障害です。

下肢短縮障害は、足が短くなった程度(長さ)によって、認められる等級が異なります。

後遺障害等級 後遺障害の内容
第8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
第10級8号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
第13級8号 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
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6.足指の欠損障害

足の後遺障害には、足指の後遺障害もあります。足指の後遺障害には、足指自身がなくなってしまった足指欠損障害と、足指の機能が失われた足指の機能障害があります。

まずは、足指欠損障害を見てみましょう。これについては、欠損した足指の数によって認定される後遺障害の等級が異なります。

足指が欠損した、と言うためには、中足指節関節から足指が失われた場合がこれに該当します。

足指が欠損した場合の後遺障害は、以下の表の通りです。

後遺障害等級 後遺障害の内容
第5級8号 両足の足指の全部を失ったもの
第8級10号 1足の足指の全部を失ったもの
第9級14号 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
第10級9号 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
第12級11号 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
第13級9号 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの

7.足指の機能障害

足指の機能障害とは、足指が物理的になくなったわけではないけれども、その機能が失われたケースです。

足指の用を廃した場合に後遺障害が認定されますが、用を廃した足指の数が多いと、より高い等級の後遺障害となります。

足指の用を廃したものとは、

  • おや指の場合には、その末節骨の半分以上が失われた場合
  • おや指以外の足指の場合には、遠位指節間関節(第1関節、指先に近い方の関節)以上を失った場合または第2関節(指の付け根に近い方の関節。おや指の場合には指節間関節)に著しい運動障害が残った場合

です。

具体的な認定基準は、以下の通りです。

  • おや指の末節骨の長さが2分の1以上失われた
  • おや指以外の足指が中節骨か基節骨部分で切断した場合、遠位指節間関節(第一関節)か近位指節間関節(第二関節)で離断した場合
  • 中足指節関節か近位指節間関節(おや指の指節間関節)の可動域が、健常な側の指の可動域の2分の1以下になったもの

足指の機能障害における後遺障害の内容と等級は、以下の通りです。

後遺障害等級 後遺障害の内容
第7級11号 両足の足指の全部の用を廃したもの
第9級15号 1足の足指の全部の用を廃したもの
第11級9号 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
第12級12号 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
第13級10号 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
第14級8号 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの

8.足の後遺障害で認められる賠償金

足の後遺障害が認められた場合、どのような賠償金が支払われるのでしょうか?後遺障害が認定されると、その等級によって後遺障害慰謝料や逸失利益が支払われます。

後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことによって受ける精神的損害に対する慰謝料のことです。

逸失利益とは、後遺障害が残ったことによってそれまでのようには働けなくなるため、本来得られるはずだったのに得られなくなってしまった収入のことです。

(1)後遺障害慰謝料について

後遺障害慰謝料は、等級によってその金額が決まっており、具体的には以下の通りとなります。

後遺障害等級 弁護士・裁判基準
第1級 2800万円
第2級 2370万円
第3級 1990万円
第4級 1670万円
第5級 1400万円
第6級 1180万円
第7級 1000万円
第8級 830万円
第9級 690万円
第10級 550万円
第11級 420万円
第12級 290万円
第13級 180万円
第14級 110万円

足の後遺障害が残る場合には、下肢欠損障害のケースなどでは1級や2級などの高い等級が認定されることもあるので、そのような場合には上記のように高い後遺障害慰謝料が認められます。

ただ、上記は後遺障害慰謝料の計算基準の中でも最も高額になる弁護士・裁判基準によって計算した場合の金額なので、被害者が自分で示談交渉をするときには、低い金額になってしまいます。足の後遺障害が残った場合に高額な慰謝料を請求するためには、弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。

(2)逸失利益について

逸失利益は、事故前の基礎収入に労働能力喪失率をかけることによって計算するので、労働能力喪失率が高くなると、その金額が上がります。

そして、各後遺障害の等級による労働能力喪失率は、以下の通りです。

障害等級 労働能力喪失率
第1級 100%
第2級 100%
第3級 100%
第4級 92%
第5級 79%
第6級 67%
第7級 56%
第8級 45%
第9級 35%
第10級 27%
第11級 20%
第12級 14%
第13級 9%
第14級 5%

下肢の後遺障害が残ると、日常生活にも仕事にも支障が大きいです。足指に後遺障害が残っただけでも非常に歩きにくくなってしまいます。

また、1級、2級、4級などの高い等級の後遺障害が認められた場合には、1億円以上の逸失利益が認められることもあります。

足や足指の後遺障害が残った場合には、適切に後遺障害の等級認定を受けて、請求出来る賠償金の支払いをしっかりと受けることが重要です。

9.交通事故で足や足指の後遺障害が残ったら、弁護士に依頼しよう

以上のように、交通事故で足や足指に怪我をすると、いろいろな内容の後遺障害に該当する可能性があります。

足や足指に後遺障害が残ると、日常生活でも仕事上でも大変なハンデを負うことになり、これまでとは生活も一変して、身体的にも精神的にも大きな苦痛を被ることになります。こんなとき、適切に後遺障害の認定を受けて、後遺障害慰謝料や逸失利益などの請求をすることが重要です。健康が戻ってこないなら、せめて賠償金の支払いを受けることによって満足を受けるしかないからです。

まとめ

後遺障害等級認定請求の手続を適切にすすめるためには、専門的な知識が必要なので、被害者が自分で手続きすると失敗するリスクがありますし、被害者が自分で相手と示談交渉をすると、低額な任意保険基準で賠償金が計算されて、金額が減らされてしまうおそれも高いです。

足指や下肢に後遺障害が残った場合には、弁護士に対応を依頼することをお勧めいたします。

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