この記事でわかること
- 交通事故で被害者に変わって交渉代行できるのは弁護士だけである
- 弁護士は被害者に有利になるように交渉手続きを進めてくれる
- 弁護士に依頼すれば裁判基準という高額な賠償金請求が可能になる
- 交通事故に強い弁護士の探し方がわかる
交通事故を自分の力だけで解決しようとすると失敗する可能性が高くなることをご存知でしょうか?交通事故の被害者は、加害者との間で事件を解決するために示談交渉をおこないます。
ただし、加害者の約7割は任意保険に加入しているため、その交渉相手は保険会社になります。
残念ながら、多くの被害者は「保険の仕組み」「法律知識」「交渉ノウハウ」を持っていません。そのため、保険会社の言い分が正しいと勘違いしたり、交渉の場で言いくるめられてしまいます。つまり、交通事故では被害者が適正な損害賠償を請求できないまま不利な条件で示談をするケースが多いというのが実際のところです。
しかし、事故の交渉代行を弁護士に依頼すれば、有利な条件で解決できる可能性が高くなります。
この記事では、「交通事故被害者が弁護士に相談するべき5つの理由」と「交通事故に強い弁護士の探し方」について詳しく解説していきます。
被害者の大半の方は交通事故を弁護士に相談すればメリットが多いということを知らないようです。弁護士に相談・依頼することで得られる利益について、しっかりご説明していきます!
1.交通事故被害者の味方は弁護士だけ
「交通事故の被害者」になることなど、人生で何度も体験することではありません。そのため、「交通事故に遭った後に何をすればいいのか」、わからないことだらけです。自分で一から調べていては時間がかかりすぎるため、誰かに相談しようと考えるのが普通でしょう。
ただし、警察に相談しても無意味です。警察は「事件性」がなければ、事故後は何もしてくれません。たとえ事件性があったとしても、民事不介入のため「治療費や慰謝料の相談」に乗ってくれることはありません。
では、「保険会社に相談する」のはどうでしょうか。ケガの治療費や慰謝料は、「加害者の保険会社」が払ってくれるので、その考えは理解できます。しかし、加害者の保険会社は決して被害者の味方にはなってくれません。
なぜ保険会社は被害者の味方になってくれないのか
保険会社は「営利企業」であるため、利益をあげなければ潰れてしまいます。そのため、契約者から多くの保険料を払ってもらうだけでなく、「保険会社が被害者に支払うお金を少なく」したいと考えています。
保険会社は「被害者に支払うお金」を少なくすればするほど会社の利益につながるため、当然示談においてもそのように交渉してきます。被害者が加害者側の保険会社に相談しても、被害者に有利な条件を提示することはまずありません。
では、「被害者が加入する保険会社」に相談する場合はどうでしょうか。残念ながら、被害者の保険会社であっても、相談相手には適していません。
なぜなら、保険会社は「保険が適用できるかどうか」を判断するだけで、示談の内容(過失割合や慰謝料額など)の相談には乗ってくれないからです。
弁護士と被害者は利害が一致している
交通事故の被害者は、示談交渉が成立しなければ、治療費はもちろん、休業損害や慰謝料を受け取ることはできません。訴訟を起こすという手もありますが、どちらにせよ「法律や保険の知識を持った専門家」の助けが必要です。
治療費や慰謝料の額は、法律や判例によって定められています。これらを熟知し、保険会社と対等に交渉でき、かつ被害者の味方になってくれるのは弁護士以外にはいません。
弁護士は、被害者が獲得した「賠償金の一部」を報酬として受け取ります。つまり、弁護士は被害者が得をすれば得をし、被害者が損をすれば同じように損をすることになります。
このように「利害が一致」しているので、弁護者は被害者の味方として交渉にあたってくれるのです。
2.適切なアドバイスが受けられる
交通事故の被害に遭ったら、「示談交渉をする」ということはご存知の方が多いでしょう。ただ、それが「いつ始まり、どのように進み、何をするのか」といった細かいことがわからず、不安に感じる方は少なくありません。
弁護士に相談することで、交通事故問題に関して「適切なアドバイス」を受けることができます。たとえ疑問や不安に思うことがあっても、弁護士がその都度答えてくれるので、何の心配もいらなくなります。
弁護士に相談のタイミングとしては、交通事故後に「できるだけ早い段階」でおこなうべきです。その理由としては、以下のようなことがあげられます。
【弁護士に早期に相談すべき理由】
- 事故後に関して適切なアドバイスを受けられる
- 有利な条件かつ早期に示談を終えられる
- 保険会社の態度が変わり無理を言ってこなくなる
- 保険会社とのめんどうな交渉を任せられる
- 問題解決の見通しが立ち精神的に楽になる
- 治療に専念できる...etc
3.損害賠償金が大幅に増額される
加害者の保険会社と示談する場合、スムーズに交渉が進むことはほとんどありません。たとえば、「加害者が自身の過失について認めない場合」や「保険会社が明らかにおかしい過失割合を提示する」といったケースも珍しくないのです。
被害を受けた側からすると、「被害に見合った賠償金」を求めるのは当然ですが、保険会社は「被害者に不利な条件」で示談を成立させようとします。なぜなら、保険会社側は被害者へ支払う賠償金はできるだけ低くしたいと考えているからです。
弁護士のミッションは賠償金の増額
基本的に、保険会社は「自賠責保険基準(最も低い賠償基準)」で算出した賠償金を提示してくるでしょう。残念なことに、多くの事故被害者がこの自賠責保険基準の賠償金で示談書にサインしている現実があります。
しかし、弁護士が被害者に代わり示談にあたることで、最も高額な賠償金が望める「裁判基準(弁護士基準)」を採用することができます。自賠責保険基準や任意保険基準と比較すると、受け取れる金額に2倍、3倍の差が出るのです。
交通事故のケガや後遺症に苦しむ被害者を救済するには、何より「金銭的な補償」が欠かせません。そのため、交通事故示談における弁護士の最大のミッションは、賠償金を増額することになるのです。
交通事故に強い弁護士なら、「過失割合交渉」、「後遺障害認定サポート」、「休業損害・慰謝料の算定」など、被害者に有利な条件で示談を成立させてくれるでしょう。
賠償金が増額した例
弁護士に依頼したことで、賠償金が増額した2つの例をご紹介します。
この結果を見て、どのように感じるでしょうか。もちろん、弁護士に依頼したおかげで賠償金は増額しました。しかし、この賠償額は「被害者が本来受け取るべき額」なのです。
保険会社は、自社の利益のため「低い賠償額」を提示してくることはすでにお伝えしました。これを見れば、自分1人で保険会社と示談することがいかに危険なことかご理解いただけると思います。
4.被害者に有利な条件で交渉を進めることができる
交通事故は「事件性」がなければ、その後は加害者(保険会社)と被害者の当事者間での示談交渉となります。
被害者にとってみれば、事故のケガや後遺症に苦しむ中で示談交渉をおこなうのは、とても大変なことです。一方、加害者は保険会社が示談にあたるので、ほとんど何もすることはありません。
示談交渉を有利に進めるためには弁護士のサポートが必要
保険会社は被害者に弁護士が付いていないとわかれば、「保険会社の提示する条件」で示談を成立させようとします。
その際、保険会社は法律や保険の専門知識を盾に、自社にとって有利な提案しかおこないません。被害者がその提案に応じなければ、最悪の場合「治療費の打ち切り」といった強硬的な手段をとる保険会社もあるのです。保険や法律の知識がない被害者では、保険会社に言い負かされてしまうでしょう。
このように、被害者側に弁護士がいなければ、示談交渉は「保険会社のペース」で進んでいきます。不満を抱えたまま、泣く泣く「示談書にサインする」という被害者も少なくないのです。
弁護士を代理人に立てれば、事故直後からすべての交渉を代行してくれるだけでなく、保険会社の「誤った提案」を正すことも可能です。その結果、示談交渉を被害者に有利な条件で成立させることができるのです。
事故後の弁護士への相談は、「早ければ早いほど良い」とされています。事故後すぐ弁護士に相談することで被害者に有利な解決が望めるのです。
5.示談書作成や必要書類の準備も任せられる
交通事故では、保険会社と示談する際や裁判になる場合には、様々な書類や手続きが必要になります。示談の際には、以下のような書類を準備することになります。
人身事故の場合に必要な書類
- 示談書
- 交通事故証明書:事故の記録が書かれた証明書。自動車安全運転センターで入手
- 医療機関診断書:「症状の固定」を診断された病院から発行
- 診療報酬明細書(レセプト):治療内容と薬などの明細で病院、保険薬局により発行
- 後遺障害診断書:医師による後遺障害診断書、後遺障害等級の認定結果の書面
- 休業損害証明書:給与所得者の場合(会社の給与支払額、源泉徴収票、確定申告など)、事業者の場合(確定申告控え、納税証明など)
- 交通費:通院の際に使ったバスや電車などの領収書
死亡事故の場合に必要な書類
- 死亡診断書:医師、病院により発行
- 戸籍謄本:死亡者と遺族の関係を確認するために必要
- 病院費用:死亡までに入院・通院していた際の領収書
- 葬儀費用:葬儀時の請求書、領収書など
※被害者死亡の場合、これらの書類は遺族が用意しなければなりません。
物損事故が含まれる場合に必要な書類
- 修理費の請求書:修理工場から出された請求書、見積書
- 代車利用:使用した車両の請求書
- 代車購入:車両が全損時に代替車を購入した際の請求書、車両登録費用など
- 車両評価損(減価証明書):日本自動車査定協会などで査定発行
弁護士に依頼すれば書類準備から手続きまですべて任せられる
これらの書類をすべてそろえることは、交通事故のケガや後遺症で苦しむ被害者にとって簡単なことではありません。
弁護士に依頼することで「書類の作成・発行から示談・訴訟の手続き」まで、すべてを代行してくれます。つまり、被害者は治療に専念するだけでいいのです。
弁護士は交通事故被害者の唯一の味方です。弁護士に依頼すれば、めんどうな書類の作成や手続きをすべて任せられるだけでなく、賠償金を増額することが可能です。
「弁護士に依頼するメリットはわかっても、弁護士費用が心配で・・・」という方もご安心ください。あなたの加入する自動車保険に「弁護士費用特約」が付いていれば、「実質0円」で弁護士に相談・依頼することができます。詳しくは、下記の記事を参考にしてみてください。
【家族も使える】弁護士費用が0円になる自動車保険「弁護士費用特約」を解説
【交通事故問題を弁護士に相談すべき理由とは?】
- 加害者には「保険会社」という味方がいるが、被害者にはいない
- 交通事故の後「何をすればいいのか」など、アドバイスを受けることができる
- 自分で示談交渉するよりも、損害賠償金が2~3倍に増額が見込める
- めんどうな保険会社との交渉をすべて任せられる
- 示談交渉を被害者に有利に進めることができる
交通事故に強い弁護士選びのポイント
交通事故の被害者になってしまったら、弁護士が心強い味方であることはご理解いただけたと思います。しかし、全国には数多くの弁護士事務所が存在しています。その中から、「どうやって交通事故に強い弁護士を探し出すの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
「交通事故に強い弁護士」を選ぶためには、交通事故を重点業務として扱っているかを確認する必要があります。具体的に言えば、交通事故についての「実務経験・解決実績が豊富かどうか」が弁護士選びの重要なポイントになるのです。
弁護士ならば誰に相談しても良い訳ではありません。交通事故は弁護士の業務の中でも特殊な事案ですので、数ある法律事務所の中でも被害者請求に経験豊富な事務所を選ぶ必要があります!
交通事故に強い弁護士に依頼するのが原則
弁護士は法律の専門家なので、「法律に関する案件」ならば対応することができます。しかし、交通事故は特殊な分野です。法律だけでなく「交通事故の判例」「自動車保険」「医療(後遺症)」といった幅広い知識が必要になります。
医者には内科、外科、小児科などそれぞれの専門分野があるため、当然患者も自身の症状にあった「科」で受診するでしょう。弁護士も同様に、離婚問題、企業法務、刑事弁護などそれぞれが「専門としている分野」があります。
そのため、「依頼内容を専門とする弁護士」に依頼しなければ、その弁護士の力を生かすことができず、依頼者が満足する結果は得られないのです。「刑事弁護専門の弁護士に交通事故案件を依頼」しても、被害者にとって必ずしも有利に働くとは限りません。
弁護士は知り合いに紹介してもらうのが確実か
よく、「弁護士は知り合いに紹介してもらうのが確実だ」という意見が聞かれることがありますが、果たしてそうでしょうか。
知り合いに紹介してもらった弁護士が「交通事故の専門家でない」場合には、保険会社との「示談交渉」を有利に進めることができない可能性が高まります。
また、示談交渉がまとまらない場合、保険会社は契約している「交通事故を専門としている弁護士」を代理人に立てることがあります。そうなった場合、被害者も「交通事故に強い弁護士」に依頼しなければ、交渉が不利になるのは言うまでもありません。
交通事故に強い弁護士はどうやって探す?
交通事故に強い弁護士とは、「実務経験・解決実績が豊富である」ことはすでに述べました。そのような弁護士に依頼すれば、被害者救済のために適切に交渉を進めてくれるでしょう。
ただし、保険会社が紹介してくる弁護士に依頼してはいけません。なぜなら、その弁護士は保険会社が有利になるような提案をする可能性が高いからです。そのため、依頼する弁護士は自分で探す必要があります。
では、こうした「交通事故に強い弁護士」はどのように探せばいいのでしょうか。以下で、その方法をご紹介します。
方法1 周りの人から紹介してもらう
「交通事故に遭って、事故処理に困っているため弁護士を探している」ということを家族や親戚、友人、会社の人に伝えてみましょう。あなたの周りにも、交通事故被害に遭われた方がいるかもしれません。
その中で、保険会社との示談を弁護士に依頼した人がいれば、詳しく話を聞いてみてください。実際に依頼した人であれば、弁護士の人柄や得意分野、相談の流れ、費用や期間などを教えてもらうことができます。知り合いであれば、気兼ねなく聞くことができるでしょう。
デメリットをあげるとすれば、知り合いから紹介してもらった手前、他に適任な弁護士が見つかった時に断りづらいということがあります。
方法2 インターネットで検索する
お堅いイメージのある弁護士事務所ですが、現在ではウェブサイトなどを作成し、インターネットからも集客を図っています。ウェブサイトがない弁護士事務所を探す方が難しいでしょう。
インターネットで検索すれば、いつでも・どこにいても弁護士を探すことができます。事務所のウェブサイトだけでなく、「弁護士比較サイト」なども利用することで、様々な情報を集めることができるでしょう。
ただし、ネット情報だけでは、弁護士の人柄や事務所の雰囲気などがわからないといった点がデメリットとしてあげられます。
方法3 電話帳などで調べて問い合わせる
インターネットが普及したとは言え、まだまだ電話で問い合わせをする方はたくさんいます。タウンページなどの電話帳や番号案内(104番)を利用することで、最寄りの弁護士事務所を調べることができます。
電話番号がわかれば後はかけるだけなので、比較的短時間で問い合わせることができます。電話をしてみれば、弁護士事務所の「依頼者に対する対応」などを知ることができるでしょう。
デメリットとしては、タウンページだけでは弁護士の専門性がわからず、電話で確かめるまではわからないという点です。特に、地方には「町弁(まちべん)」と呼ばれる何でも相談できる弁護士がいます。何でも相談できるというのは、裏を返せば専門分野を持たないということなので注意が必要です。
方法4 弁護士会主催の無料法律相談会で相談する
「実際に弁護士に会って話を聞きたいけど、いきなり事務所に行くのはちょっと・・・」という方にお薦めなのが、無料法律相談会です。無料相談会とは、地域の弁護士会が不定期に開催しているもので、様々な法律相談をすることができます。
デメリットは、「担当の弁護士が必ずしも交通事故に強いとは限らないこと」や「相談会ごとに相談できる内容が異なること」です。その地域の弁護士会に所属する弁護士が持ち回りで担当するケースも多いため、交通事故に詳しい弁護士ばかりではないのです。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
周りの人からの紹介 | 体験を交えながら、詳しく弁護士の話を聞くことができる | 相性が悪いことも考えられる、断りづらい |
電話帳などで調べる | 近所にある弁護士をすぐに調べることができる | 交通事故に強い弁護士かどうかがわからない |
インターネットで調べる | たくさんの弁護士を比較・検討できる | 弁護士の人柄や事務所の雰囲気などはわからない |
弁護士会の無料相談を利用する | お住いの地域の弁護士に無料相談できる | 「交通事故相談会」でなければ、相談することはできない |
「信頼できる弁護士」を選ぶことも重要
示談交渉を有利に進めるためにも、交通事故に強い弁護士に依頼するのは大前提です。
しかしそれだけでなく、悩みを抱えた被害者に対して「どれだけ真剣に向き合ってくれるか」も重要なポイントになります。つまり、その弁護士が「人として信頼できるかどうか」ということです。
ケガや後遺症で苦しむ被害者に寄り添い、サポートしてくれるような弁護士でなければ、安心して任せることはできないでしょう。「人柄が信頼できるかどうか」も弁護士選びでは欠かせないポイントです。では、「信頼できる弁護士」とは、具体的にどのような弁護士なのでしょうか。
【信頼できる弁護士とは】
- 解決までの道筋を示してくれる
- 生活面のアドバイス・サポートをしてくれる
- 医療・後遺症についても詳しく説明できる
- きめ細やかに報告、連絡をしてくれる
- 妥協せずに保険会社と交渉をしてくれる…etc
相談の段階でこれらをすべて把握することなど不可能ですが、「信頼できるかどうか」を事前に判断することはできます。
まずは電話相談の対応を確認する
弁護士への相談は、「敷居が高い」、「料金が高そう」ということで、保険会社との交渉で苦しんでいるにも関わらず、相談しない被害者が多く見られます。
すでに述べたように、当サイトが紹介している弁護士の多くが、無料で相談を受け付けています。まずは電話相談で気になることを質問してみてください。その対応からその弁護士事務所が信頼できるかどうか、ある程度確認することはできます。
【弁護士に質問すべき内容】
- 保険会社の提示する過失割合が正しいか
- 病院への通院継続は可能か
- 慰謝料の増額は可能か
- 後遺障害等級認定は獲得できるか
- 保険会社が提示する示談金は適切か
- 今後どのような行動をとればいいのか…etc
こうした相談に関して、丁寧に回答してくれるならば、その弁護士事務所は信頼できる可能性が高いと言えます。もし電話を早く切ろうとしたり、曖昧な回答しかしないのであれば、その弁護士事務所は信頼できないと判断してください。
弁護士に依頼するか迷っている人でも、一度無料相談の電話をしてみてください。保険会社との交渉における疑問について尋ねるだけでも、被害者にとっては大きなメリットが得られるはずです。
面談時に「信頼できる弁護士」かどうかを見極めるコツ
電話相談をした後、実際に面談をしても「本当にこの弁護士で良いのだろうか」と悩む方もいるでしょう。面談時にこそ、「信頼できる弁護士かどうか」を見極めるが必要があります。具体的には、以下の3つのポイントを確認してください。
1.具体的な提案をしてくれるか
相談内容に対して、「交渉の進め方」や「賠償額の増額するためにできる方法」など、具体的に提案をしてくれるのかを確認してください。ここから「仕事に対する姿勢」や「依頼者との向き合い方」を知ることができます。
2.こちらの質問にわかりやすく回答してくれるか
多くの被害者は、事故示談についての知識は何もありません。そのため、会話に出てくる法律や保険の用語もわからなくて当然です。
わからないことや気になったことは、遠慮せずに質問をしてください。適当に流したり、面倒くさそうな態度をとる弁護士は信頼できないと判断できます。
3.弁護士費用について明確な説明があるか
「無料相談」という形であっても、弁護士は正式に依頼してもらうことを目的としています。そのため、「弁護士費用」や「弁護士費用特約」などについて、わかりやすく説明してくれるでしょう。
もし弁護士費用を曖昧にしたまま「契約を急かす」ようであれば、信頼できる弁護士ではありません。絶対に契約しないでください。
【交通事故に強く、信頼できる弁護士を見つけるためには?】
- 弁護士事務所の交通事故案件に関する「実務経験」や「解決実績」を確認する
- 電話や面談で、具体的でわかりやすく説明(費用や解決案等)をしてくれるか確かめる
- こちらの質問や疑問に、優しく丁寧に回答してくれるか(人柄)も確かめる
- いくつかの事務所の「無料相談」を利用して比較してから決める
弁護士に依頼することで得られるメリットは大きい
ここまで読まれた方には、「交通事故問題を弁護士に相談すべき理由」と「交通事故に強い弁護士を探す方法」についてご理解いただけたと思います。交通事故の被害者およびご家族の方は、弁護士ならば誰でも良いと思わずに、あくまで交通事故に強い弁護士を選んで相談しましょう。
被害者に合わせた柔軟な対応も可能
しかし中には、入院中や自宅療養中で身動きがとれなかったり、また自宅近くに弁護士事務所がないという人も少なくないでしょう。
たとえ、こうした状況でも諦める必要はありません。交通事故被害者を救済するために、柔軟に対応をしてくれる弁護士事務所もあるのです。
入院、自宅療養などで事務所を訪問できない場合には、「出張相談」をしてくれる事務所もあります。また、遠隔地に住んでいる被害者のために「書類だけ」で手続きを進めることも可能です。
全国対応の弁護士事務所は、電話、メール、書類だけで保険会社との示談交渉が可能です。ただし、事案によって対応が異なるので、一度弁護士事務所に確認してみてください。
まずは無料相談から始めてください
交通事故被害者になってしまった場合、弁護士に依頼することで得られるメリットは非常に大きいです。弁護士に依頼したことで、「過失割合が有利になった」「後遺障害が認定された」、さらに「慰謝料が2倍、3倍に増額した」という事例はたくさんあります。
弁護士費用特約を使えば、「実質0円」で弁護士に依頼することができます。仮に弁護士費用特約に加入していなかったとしても、増額された示談金から弁護士費用を相殺しても、損をすることはありません。
まずは電話で相談することから始めてみませんか?
弁護士への依頼に関してよくある質問
ここでは弁護士に相談を検討されている方から寄せられる「よくある質問」について、Q&A形式でお答えしていきます。
Q. 弁護士への相談はいつすればいいの?
A.
交通事故の被害者になってしまった場合、いつ弁護士に相談すればよいでしょうか。その答えは「早ければ早い方が良い」ということになります。
弁護士に相談するタイミングには、いくつかあります。
●事故の直後
警察に届けられた交通事故については、警察が現場の状況や事故の概要について調査をおこないます。しかし、その調査が必ずしも適切におこなわれているとは限りません。
たとえば、警察は早く事故の処理をするため、加害者と被害者の話をよく聞かず、適当にまとめてしまうことが少なくありません。警察が作成する報告書は、保険会社が「過失割合」を判断する際などに、重要な資料として扱われてしまいます。
この警察による調査の段階で弁護士がついていれば、過失割合で被害者が不利になるような心配がなくなります。
●治療が終了するまで
治療の終了とは、いわゆる「症状が固定する」ということです。症状が固定した時点で後遺障害の程度が判明し、等級の認定を受けることになります。
等級の認定のためには医師による「後遺障害診断書」が必要ですが、ここを医師に任せっきりにした場合、認定されるべき等級が認定されないといったことが起こることがあります。
診断書の書き方に慣れていない医師がいることに加え、被害者が「後遺症だと思っている症状」が事故によるものだと判断されない可能性があるのです。
治療が終了するまでに弁護士に相談をすれば、「適切な等級認定を受けられるため」に必要なアドバイスをしてもらうことができます。
もし等級認定を受けてしまった後であっても、弁護士に相談すれば適切な等級の認定をやり直すための手続き(異議申立て)をおこなってくれるのです。
●示談の成立まで
保険会社は、自社の利益のためになるべく保険金を支払わないように交渉します。そのため、賠償金の基準を低く設定し、専門的な知識や法律で被害者を言いくるめてしまうのです。示談の素人である被害者では、保険会社と対等に交渉などできるわけがありません。
弁護士は交渉のプロです。弁護士に依頼すれば、適正な基準で賠償金を請求できることはもちろん、めんどうな手続きをすべて代行してくれます。
示談は一度成立してしまえば、やり直すことができません。示談が成立する前に、弁護士に依頼して保険会社と交渉をしてもらいましょう。
ただし、事情や内容によっては示談の無効や取り消しを主張することもできる場合もあります。もし成立した示談に不満があれば、弁護士に相談することで適切な解決へと導いてくれるでしょう。
Q. 弁護士に相談する場合、依頼まではどのように進んでいきますか?
A.
●法律相談の予約
弁護士事務所に相談の予約をするには、まずは電話で問い合わせたり、ウェブサイト上の無料相談予約フォームを送信することになります。その後、担当者から電話がかかってくるので、話し合った上で面談の日を決定します。場合によっては、電話で事故の詳細について尋ねられることもあります。
●面談
予約した相談日に弁護士事務所にて弁護士と面談をします。「これまでの経緯」や「どういった解決を希望するのか」などを尋ねられます。それらを踏まえ、弁護士が「示談の進め方」、「慰謝料の請求額」、「弁護の費用」などを説明していきます。
弁護士の提案に納得し依頼をすれば、あとは弁護士が示談交渉や手続きをすべて代行してくれます。その後は弁護士の指示に従ってください。
事故で入院されている場合は、代わりに親族の方などが相談することも可能です。相談の進展次第では、弁護士が病院へと伺うこともあります。
Q. 知り合いの紹介で弁護士に依頼したのですが、正直頼りありません。今の弁護士を解約して、別の弁護士に依頼することはできるのでしょうか?
A.
もちろん、今の弁護士を解約し、他の弁護士に変更することは可能です。
事前に相談ができるとはいえ、1回の面談で弁護士が有能かどうか判断することは難しいことです。依頼してみたら対応が悪い・交通事故が不得意といった場合は、契約を解除するには十分な理由になります。
弁護士との契約は「委任契約」という形式をとっています。これは法律行為を相手(弁護士)に委ね、相手(弁護士)がそれを了承する契約方式です。この委任契約は、「一方的に解除」しても何の問題もありません。
ただし、実際に解約する場合は、よく話し合ってからおこなうことをお薦めします。その弁護士の「何がダメなのか」をはっきりさせないと、別の弁護士に依頼しても同じ失敗をすることになりかねません。
ただし、解約をすることはできますが、原則的に相談料と着手金は戻ってきません。着手金とは、弁護士に依頼をする時に払うお金です。金額は事務所や事案によって異なります。
Q. 交通事故に強い弁護士を自分1人で見つけることは大変ですか?
A.
結論から言えば、交通事故に強い弁護士を自力で見つけることは簡単ではありません。
交通事故の事案では様々な「法律・保険の知識」「交渉力」などが求められます。キャリアの浅い弁護士よりも、交通事故の示談や訴訟を数多く担当してきたベテラン弁護士に依頼した方が良いのは明白です。
保険会社は事故のケースが複雑な場合や面倒だと判断した際、その後の処理を弁護士に委任することがあります。保険会社が弁護士に委任するとなれば、こちらも交通事故に強い弁護士に依頼しなければ圧倒的に不利になります。
ところが、近年は交通事故を専門としていなくても、「交通事故に強い」と謳う弁護士の広告が増えています。そのため、「どの弁護士を選ぶべきなのか」ますますわかりづらい状況になっています。
「広告をよく見るから」とか「知名度があるから」といった単純な理由で選んではいけません。なぜなら、「広告をよく見ること」と「交通事故に強いかどうか」は関係がないからです。
本当に「交通事故に強い弁護士」を見極めるためには、知名度や規模ではなく、これまでの実績や経験、さらには被害者請求のポリシーについてチェックすることが大切です。