中高年ライダーのバイク運転中の死亡事故が急増しています。
警視庁の発表によると、平成26年度の全国のバイク事故での死者数は697人で事故に占める割合の約17%でした。東京都内では、事故全体に占めるバイク事故の死亡者数は45人で、その割合は約26%と全国平均を大きく上回っています。
東京都内のバイクによる死亡事故を年齢別で見ると30歳代が8人(18%)、50代が7人(16%)、そして40歳代が最も多く14人(31%)となっています。また、過去5年で見たときに40代、50代の死亡事故だけが増加しています。
東京都は全国的に見ても交通事故件数はトップクラスです。しかし、交通事故全体の件数は減少傾向にありますが中高年のバイク事故は増加傾向にあります。
中高年のバイク事故が多発する理由の一つとして「リターンライダー」の増加が指摘されています。これは若い時にバイク運転していた人たちが中高年になって改めてバイク運転を復活する現象です。このリターンライダーの増加がバイク事故増加の要因となっているのです。
そこで、今回は中高年ライダーの事故の特徴、原因、事故対策についてまとめました。
中高年ライダーが増えている理由
ドライブインや道の駅に行くと中高年ライダーが大勢で集まっている光景をよく見かけます。それだけ、ツーリングは中高年の趣味として広がりつつあるようです。
なぜ、今の時期に中高年ライダーが増加しているのでしょうか。
- 若い時に乗っていたバイクにまた乗ってみたいという気持が生まれた
- 中高年になり経済的な余裕ができて憧れのバイク購入ができるようになった
- 結婚、子育てが落ち着いて昔の趣味をもう一度という気持が生まれた
- 昔の友だち、新たな友だちとツーリングという共通の趣味を楽しみたい
中高年ライダーの事故が多発
前述のように中高年ライダーの増加とともに事故も増加しています。ライダーの数が増えているから事故が増えるのは当たり前ではありますが、中高年のバイク事故の伸び率は突出しており死亡事故に繋がるような大事故も頻発しているのです。
中高年が趣味としてバイク運転を復活するのは結構なことですが、死亡に繋がるような交通事故が増加しているのは大問題です。
中高年ライダーの事故の特徴を見ていきましょう。
中高年のバイク事故の類型
バイク事故にはいくつかのパターンがありますが、警視庁が発表した二輪車の死亡事故統計から中高年ライダーの事故で多いパターンを挙げてみました。
- 単独で転倒するケース
- 右折の際と右側直進時
- 前方不注意による追突
- 出会い頭の衝突
- 追い越し時の接触
肉体的な老化の進行と過信
皮肉ですが中高年バイカーの事故増加と高齢ドライバーの事故増加との共通項があります。それは、肉体的な老化から来る動体視力、判断力などの低下、さらに若い時に運転経験があるという過信です。
- 加齢による動体視力の低下
- 判断力の低下
- 注意力の散漫
- 加齢による視力の悪化(近視、老眼、緑内障など)
- 自分はまだまだ若いという過信
- 若い時に運転経験があるという過信
中高年ライダーが運転時に注意すべき点
では、中高年バイカーが運転時に必要な意識、注意点は何でしょうか。
- 無理なスピードの出し過ぎはしない(制限速度を守る)
- カーブや勾配がある場所では減速する
- 2人乗りはできるだけ避ける
- 視界が悪い日は運転しない(雨、風、雪、霧など)
このように、若い時の自分と今の自分は違うんだよということを改めて自覚すると共に大人としての慎重さがバイク運転に求められます。
中高年ライダーの事故への備え
万が一の死亡事故や大怪我を避けるためには、できるだけいい肉体・精神状態で運転するとことと、事故に遭っても自分の身を守るという心がけが重要です。
- 睡眠不足時には運転しない
- 前日に過度な飲酒は控える
- 転倒時に怪我を軽減するためのエアバッグジャケットの着用する
- 膝当て、肘当て、ブーツの着用
- ヘルメットのあごひもをしっかり締める(死亡事故の約4割がヘルメット脱落)
- 胸部、腹部を守るプロテクターの着用
まとめ
中高年ライダーの事故の原因と理由、対策方法はご理解頂けましたでしょうか。高齢者の運転事故の増加も社会問題化していますが、中高年のバイク事故の増加も同様です。ある意味この2つの問題は類似している面があります。
両者に共通するのは、加齢を認めないということと、運転に対する過信です。中高年のライダーも自分は年齢を重ねたという部分を謙虚に認めて、注意深く、慎重にバイク運転しないと事故はこれからも増え続けていくでしょう。
東京都内の中高年ライダーがバイク運転を続けるにあたっては、まず保険へ加入すること。しかも、事故に見舞われた際には弁護士へ費用が無料になる弁護士特約付きが良いでしょう。
また、事故を起こしてしまったり、巻き込まれてしまった場合には警察にすぐに届けること。また、その際には都内在住者なら近隣の東京の交通事故専門弁護士に相談するなど、万全の対策でツーリングを楽しみたいものです。