交通事故に遭って「めまい」がする|具体的な症状と後遺障害認定を取得する手続きのポイント

交通事故の追突でむち打ち被害に遭うと、めまいや耳鳴り、頭痛などの症状を発症する方がいらっしゃいます。仕事や日常生活で様々な支障が生じますが、それらの症状は後遺障害等級を取得することで、慰謝料を請求することができます。

今回は、めまいの主な症状、めまいで認定される可能性のある後遺障害等級、後遺障害等級が認定されるまでの流れとポイントについてご紹介します。

めまいの症状は2種類ある

交通事故のめまいの症状は、追突事故によるむち打ちが原因で引き起こされることが多く見られます。

めまいの種類は以下の2つがあります。
1. 回転性めまい
2. 浮遊性めまい

回転性めまい

回転性めまいは、自分の周囲がぐるぐると回るといった感覚や、壁や床が傾いて感じたりすることが特徴です。吐き気を伴うこともあります。

浮遊性めまい

浮遊性めまいは、自分の体が宙に浮いているような浮遊感があったり、まっすぐ歩くことが出来ない、同じ体制を保てないなどが特徴です。頭痛や、手足のしびれを伴うこともあります。

めまいで認定される可能性のある後遺障害等級

めまいで認定される可能性のある後遺障害等級とその詳細、慰謝料の相場を下の表にまとめました。

後遺障害等級 詳細と慰謝料の相場
3級 生命の維持に非打つような身の回りの処理の動作はできるが、行動の失調または平衡機能障害のために労務に服することが出来ないもの
慰謝料の相場:1800~2200万円
5級 著しいめまい、失調または平衡機能障害のために、労働能力が極めて低下し一般平均の1/4程度しか残されていないもの
慰謝料の相場:1300~1500万円
7級 中程度のめまい、失調または平衡機能障害のために、労働能力が一般平均の1/2以下程度しか残されていないもの
慰謝料の相場:900~1100万円
9級 めまいの自覚症状が強く、かつ、眼振その他平衡機能検査でも
明らかな異常所見があり、通常の労働をすることはできるが、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
慰謝料の相場:600~700万円
12級 通常の労働をすることに支障はないが、めまいの自覚症状があり、かつ、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められるもの
慰謝料の相場:250~300万円
14級 めまいの自覚症状はあるが、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められないものの、めまいの自覚症状がることが医学的に説明できるもの
慰謝料の相場:90~120万円

後遺障害等級を受けるための流れとポイント

後遺障害等級を受けるための流れは以下のようになります。
1. めまいの症状の検査
2. 症状固定後に医師に「後遺障害診断書」を記入してもらう
3. 後遺障害等級の申請をする(事前認定か被害者請求のどちらか一方を選ぶ)
4. 結果の通知

めまいの症状の検査

めまいの症状検査は主に4つあります。
1. 眼振検査
2. 迷路刺激検査
3. 平衡機能検査
4. 聴力検査
この内、眼振検査のみが必須の検査になるのですが、適切な後遺障害等級を獲得するためにはすべての検査を行い、異常を見つけるようにしましょう。

症状固定後に医師に「後遺障害診断書」を記入してもらう

医師に「後遺障害診断書」を記入してもらう際に大事なポイントは、残っている症状を第三者が判断できるように、所見や検査結果が詳しく書いてもらうことです。

医師の立場からすると、治療によってどれだけ回復したかを示したいというのがあります。逆にどれほど症状が改善されずに残っているかについてはあまり書きたくないという気持ちがあります。

ですので、医師にしっかりと目に見えない症状なども全て細かく書いてもらうように依頼しましょう。

後遺障害等級の申請をする

後遺障害等級の申請方法は2つあります。
1. 事前認定(加害者側の保険会社に手続きを一任する)
2. 被害者請求(自分で自賠責保険に申請する)
それぞれのメリット・デメリットは以下の表の通りです。

メリット デメリット
事前認定 ・手続きや書類・資料集めなどの手間がかからない ・適切な後遺障害等級を獲得できない可能性が高い
・自賠責保険の限度額分の先払いを受けられない
被害者請求 ・適切な後遺障害等級を得られやすい
・自賠責保険の限度額分の先払いを受けられる
・手続きや書類・資料集めなどの手間がかかる
・医療情報の入手は実費になる

事前認定の申請と注意点

事前認定は、「後遺障害診断書」を保険会社に提出して、その他後遺障害等級申請に必要な書類・資料集めや手続きを保険会社に一任することです。

事前認定は自分で必要な書類や資料を集める手間がなくなるため、楽です。しかし、デメリットとして、適切な後遺障害等級を獲得できない可能性が高いです。その理由は、保険会社が後遺障害等級を申請する際に、資料が不足することが多いからです。

後遺障害等級の認定は、「後遺障害診断書」だけではなく、その他の医学的な書類などにより判断されます。そのため、後遺障害等級の認定基準や要件を満たすための書類が不足すると、認定されない可能性が高いです。

保険会社は出来る限り慰謝料を減らしたいため、後遺障害等級の認定基準や要件を満たすための書類を集めようとしない可能性がありますので注意が必要です。

被害者請求の申請と注意点

被害者請求は、保険会社を通さずに被害者が直接自分で自賠責保険に後遺障害等級の申請手続きをすることです。

被害者請求は、自分で後遺障害等級の申請に必要な書類や資料を集めたりしなければならないので手間がかかりますが、後遺障害等級を獲得するために有利な書類を全て提出することができます。

また、自賠責保険の限度額を先払いしてもらえるのもメリットの一つです。納得のいく後遺障害等級を獲得するには事前認定より、被害者請求の方がおすすめです。

結果の通知

保険会社に後遺障害診断書を提出、または自分で自賠責保険に後遺障害等級の申請を行ってから結果が出るまでには、一般的に1.5~2ヶ月かかります。

後遺障害等級の認定までに1.5~2ヶ月かかる理由は、損害保険料率算出機構という第三者機関が慎重に審査を行っているからです。

事前認定を行っている方で、保険会社に後遺障害診断書を提出してから2ヶ月以上経っても認定結果が送られてこない場合は、保険会社に連絡を入れてみるのが良いです。

その理由は、保険会社の担当者は何十件もの事案を同時に抱えていることが良くあり、優先度が低いものを後回しにしているからです。そのため、連絡することで優先順位を上げましょう。

後遺障害等級が認定されない場合の対処法|異議申し立て

後遺障害等級の認定結果に納得がいかない場合には、再審査を請求できる制度があります。
この制度を「異議申し立て」といいます。

異議申し立ては「異議申立書」という書類を保険会社か、自賠責保険に提出すればできます。
しかし「異議申立書」だけでは認定結果が変わることは少ないので、検査票や医師が作成した照会回答書などの新たな資料も同時に提出するのが良いです。

ただ、異議申し立てを成功させるためには、後遺障害が認められなかった理由(下位の後遺障害等級が認定された理由)を詳細に分析して、どの点がネックになっているのか、どのような資料を作成すれば良いのかを分析する必要があります。

そのため、異議申し立ての知識がない方には納得のいく後遺障害等級を認定してもらうのは難しいので、弁護士に相談するのがおすすめです。

まとめ

交通事故の被害に遭った際に、めまいなどの症状がある場合は、必ずめまいの症状検査を行いましょう。医師に「後遺障害診断書」を書いてもらう際は、しっかり細かい症状まで記入してもらうように依頼しましょう。

後遺障害等級を申請する際は、事前認定ではなく、被害者請求をする方が納得いく後遺障害等級を獲得しやすいです。もし、後遺障害等級の結果に納得がいかない場合は、異議申し立てを行いましょう。

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