休業損害証明書の書き方~作成方法のポイント(ひな形付き)

休業損害証明書の書き方~作成方法のポイント

交通事故でケガをして入院・通院により仕事を休まなくてはならないことがあります。その際に仕事を休業した分は「休業損害」として加害者(保険会社)に請求することができます。

その請求する際に必要な書類のひとつに「休業損害証明書」があります。休業損害証明書は、会社員の方ならば勤務先で記入してもらうものですが、被害者ご自身も事前に確認しておく必要がある重要な書類です。

この記事では、休業損害証明書の書き方や作成方法についてご説明します。テンプレートをもとに分かりやすく解説しますのでご参考になさって下さい。

休業損害証明書とは

休業損害証明書の役割や作成方法について一つづつチェックしていきましょう!

休業損害証明書の定義・必要な理由

交通事故に遭い傷害を負ったことで、仕事を休んだ際の収入減少分に対する損害の補償を休業損害と言います。休業損害証明書は、アルバイト・パートを含めた給与所得者が、休業した期間の損害を証明するために提出する書類となります。

任意保険と自賠責保険では別々に用意

交通事故の被害者は加害者側の任意保険会社に対して、休業損害証明書を提出するのが一般的です。ただし、すべてのドライバーが任意保険に加入しているわけではありません。加入率は都道府県別に開きがありますが、対人損害の任意保険の場合は70%~50%が加入しています。

しかし、加害者側が任意保険に加入していなかったケースでは、加害者が加入している自賠責保険会社用の休業損害証明書が必要となります。

書き方は該当する保険会社の記入例に基づいて書く

休業損害証明書は任意保険会社あるいは、自賠責保険会社から送られてきます。その書式に基づいで記入していきます。保険会社の中にはインターネット上にテンプレートをアップしているケースがありますが、それぞれ会社ごとに細部が異なります。あくまで該当する保険会社の書式を使いましょう。

誰が記入する?

給与所得者である被害者の方は、休業損害証明書を勤務先に提出します。このため、勤務先の担当部署で記入することになります。人事労務・総務担当者がいない、もしくは、該当する部署がなければ経営者に依頼しましょう。担当セクションがないからといって、自分で記入するのは避けたいものです。また、担当者が不慣れな場合の対応のために、被害者自身が知識を得ておく必要が生じることもあります。

誰に提出するのか?

加害者加入の任意保険会社に請求する場合には、任意保険会社から届いた休業損害証明書に記入して、任意保険会社に提出します。加害者が任意保険会社に加入していない場合には、加害者加入の自賠責保険会社に請求することになります。この場合には、自賠責保険会社から届いた休業損害証明書に記入した後、自賠責保険会社に提出します。

※自賠責保険会社への請求について少しだけ解説したいと思います。

自賠責保険への請求の場合は、加害者自身が保険会社に対して、支払いを終えた賠償金を請求するケース(加害者請求)と、被害者が保険会社に賠償金を請求するケース(被害者請求)があります。休業損害証明書は、いずれの請求の際にも必要とされる書類のひとつです。

記入漏れ・誤記入があった場合は?

記入漏れ・誤記入があった場合は、保険会社から、書類を完成するように返送されることもあります。しかし、最悪の場合は、休業損害請求自体に支障が出てくる可能性があるため、あまりにも精度の低い記入にならないように注意しましょう。

有給休暇取得の場合どうなる?

有給休暇を取ったとしても、休業損害が認められることは言うまでもありません。年次有給休暇の取得は、労働基準法で認められた権利だからです。治療や入院で休みを取らざるを得ない場合、有給休暇を取って充当する被害者の方はたくさんいらっしゃると思います。休業損害証明書の書式には、年次有給休暇について記入する欄がありますので、ご安心ください。

休業損害証明書が不要な職業とは?

すでに触れたように、休業損害証明書は、パート・アルバイトを含めた給与所得者に対して要求される書類です。このため、給与所得者以外の職業に就いている方は、その他にも提出が必要な書類があります。

例えば自営業者の場合は、確定申告書のコピーが必要です。もしも確定申告書がない場合には、所得証明書・課税証明書で代用します。

休業損害証明書の書き方

休業損害証明書 書き方 テンプレート

それでは、書式=フォーマットを基に、実際の書き方を説明したいと思います。

A:左から職種・役職名、氏名、勤務先に採用された年月日、を記入します。

B:交通事故発生の日付に続いて、仕事を休んだ期間(年月日)を記入します。ここでは、遅刻や早退をした日も含めます。

C:上のBの期間の内訳を記入します。欠勤の日数、年次有給休暇の取得日数、遅刻と早退の回数を記します。

D:上の表に休業日等を記載します。欠勤日には○、勤務先規定等の所定の休日には×。また、余白に「遅刻△、早退▽」等の説明を加えたうえで、表中に、遅刻△、早退▽などを記します。

E:休業した日に給与が支払われた場合の記入欄です。全部支給の有無、一部支給・一部減額、そして実際に支給された金額を記します。その支給額の内訳を記す項目では、本給と付加給(基本給以外の諸手当)に分けて記入します。そして、右側の空欄に内訳の計算根拠を式などで表します。

F:賞与をのぞいた、事故前3か月間に支給された月別の給与を記入します。本給、付加給(基本給以外の諸手当)を合算したものから、社会保険料、所得税を控除したものを差引支給額として表の一番右側に記します。

被害者の方が給与所得者の場合は、給与の締日を記入します。また、パート・アルバイトの場合は、所定勤務時間と給与計算基礎(月給・日給・時給)を記します。

G:労災保険、公務員共済組合を含む健康保険等の社会保険から、疾病手当金・休業補償費の給付を受けたかどうか、また給付の手続きをしている場合はその旨をチェックします。

H:この休業損害証明書に記入した日を記します。

I:勤務先の所在地・商号または名称・代表者名・電話番号・担当者名・担当者電話番号を記載します。また、代表者名の右側に社印を押します。

忘れてはならないのが、フォーマットの最上部にある記述です。ここには、前年度の源泉徴収票を張り付けることになっています。もし源泉徴収票が用意できない場合は、過去3か月分の賃金台帳のコピーで代用することが可能です。

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まとめ

以上、給与所得者が、休業傷害を加害者側に請求するうえで必要となる、休業損害証明書について説明しました。弁護士に依頼すれば面倒な事務手続きや申請もすべて代行してくれます。

示談交渉から慰謝料請求含めて有利な解決が期待できますので、弁護士に一度相談してみることをお勧めします。

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